「でもアタシ…」 「いかがなさいますか?」 「いいと思うよ」 その小さな花のモチーフのバレッタは雨霧によく似合うと思った。 「あの、えっと…」 「じゃ…お願いします」 俺はそう言って財布を取り出す。 「え?そんなの…!」 彼女はびっくりして俺の顔を見る。 なんでもいいから彼女が喜ぶことをしてやりたい、 そう思った。