とりあえず受け取ったもののますます困った顔をして俺を見る。 それが頼りなげで可愛くて。 「…こっちかな?」 俺はそう言って最初に彼女が選んだほうのバレッタを指差した。 「そうですね、 これくらいのやさしい色はお似合いになると思いますよ?」 店員は俺の選んだバレッタを雨霧に渡す。 躊躇しながら受け取る彼女。