「あの…先生…」 消え入りそうな小さな声で言う。 ああ、 きっといつものような怯えた表情をしているのだろう。 そして俺はできるだけ平静を装って彼女に対応する。 席から立ち上がり声をかける。 「なんだ…?」 こころの中を一瞬風が吹きぬけたような気がした。 この感覚。 図書室で一緒にいたときの時間と同じだ。