雨霧 葵…。 俺はしばらく自分の手のひらを見つめそしてぐっと握り締める。 「ね、龍之介。 あの店に付き合って?」 「あ…ああ」 彼女の声に我に返る。 そして彼女は俺の腕に自分の腕を絡ませながら聞いてくる。