「な……泣くとか早すぎだから!」 荒ちゃんは呆れながら言った。 「ちょっと待って!そう言う康也くんだって目が赤いよー?」 楓が笑いながら言う。あ、言われてみれば。 「こ、これは目薬だってのっ」 そう言った荒ちゃんからは、嘘が丸見えだった。 「おーい、集合だ!各クラス出席順に並べー!」 担任の点呼がかかった。 「じゃ……麻帆ぉ、また後でね」 沙月は隣のクラスだから別々。名残惜しく別れたあたし達だった。