「やっぱり、オレの事は知っていたのか」 「最初に入社した時に、一番初めに声を掛けてくれたのが、石上さ……じゃなかった、トシユキだったの」 「え?」 ナツミは、ようやく顔を上げ、オレの顔をしっかりと見始めた。 「面接の時、どこに行けば分からなくて……。玄関先でウロウロしていたあたしに、声を掛けてくれて」 どことなく、ナツミは嬉しそうだ。 「“総務課はここだよ”って、教えてくれ★☆▲□●…」 「ふーん」 申し訳ない事に、オレは全くそれを覚えていない。