14怪談

彼女を引き止めようと、勢いよく手を伸ばした。


が、僕の手がピタリと止まる。



僕は見とれてしまったのだ。


直子の姿に。





見ていてこっちが痛くなるほどの直子の壮絶な傷はすべて消え、彼女はとても美しい顔で、こちらに微笑んでいた。