女達が去った後、それを見届けた帝が慧の方に振り返った。
「結城さん…どう?」
「…気を失ってるだけだ。
特に重傷なわけではない。
心配はいらないだろう。」
慧の言葉に皆がホッと胸を撫で下ろす。
その様子を見て翔が皮肉に笑った。
「この女よりあの女達の方が重傷だろ…」
「翔、もうあいつらの事はいいよ。
知らせてくれて有難う。」
海が翔の肩を叩くと翔は気まずそうに目を反らした。
「華楠…、華楠ー…」
「馨、乱暴に扱うな」
「乱暴じゃないし…」
そんな中、華楠に近付いて軽く頬を叩く馨に慧は華楠を自分にもたれるように支えて座らせた。
「華楠…返して」
「お前のじゃないだろう」
「む…」
子供のようなやりとりをする二人に三人の緊張も解ける。
翔は汚れた華楠の姿を軽く見た後、陰に置いていたバイクに跨った。
「翔…行くのか?」
「あぁ。
その…昨日は悪かった。
未来にも言っててくれ」
「うん…
結城ちゃんには?」
「…言わなくていい。」
「そ。
未来も待ってるから、また病院来てやってね。」
「あぁ…」

