「どうした?顔赤くなってるぞ。」


要は、口の端だけ上げ私の顔を覗き込んできた。


(わかってるくせに……)


意地悪く笑う要を睨むと要は私の髪をグシャッと撫でた。


「そんな誘う顔するなよ。迷子で放送で呼ばれたりしたら堪んねえからな。俺から離れるなよ?ほら行くぞ!」


「誘ってないっちゃ!」


そんなこんな話をしながら、私達はデパートの中へと入って行った。