「やあ、今夜は随分遅い時間に来たんだね……」

「うん、ちょっといろいろあって……」

「話しはリサから聞いたよ。T・Jの事……」

「そう……」

「で、そのぉ……俺にも何か手伝える事、無いかなって……て言うより、手伝わせて欲しいんだけど、駄目かい?」

「私が駄目って言うと思う?」

 レナのその一言で、僕の不安は全て消え去った。

 まあ、ぎくしゃくしてたと言っても、どちらかと言うと、僕が勝手にそう思って気まずくなっていただけなのかも知れないけれど……。

 取り敢えず、以前通り仲直りは出来、リサからの命令の一つはクリア出来た。

 でも、肝心の告白は、結局いつも通り胸の中で収まったままになった。

 このまま彼女への想いを寝かし続けたら、きっと発酵して体中の血がワインにでもなっちまうかも知れない。

 久しぶりに店からの帰り道、彼女と言葉を交わした。