「そう…?」 柔らかすぎる声が、私の頭にこだます。 ふわふわした、女の子。 ゆるい巻き髪をサイドでふわりとまとめていて、パールとレースのついたアンサンブルを着ている、女の子らしい女の子。 おんなじ女の私でも、憧れちゃうくらい綺麗で可愛い女の子。 その人が、柔らかい声で颯の名前を呼ぶ。 いやな、胸騒ぎが私の心臓を脈打たせる──…