「もう二度とホラー映画なんか見せないでよね!」 「新作が出たら毎回連れてきてやるよ。」 「ってかデートでホラーってありえなくない!?」 私達はふざけあいながら歩いていた。 …手を繋ぎながら。 「腹減った。なんか食わない?」 「颯のおごりね。」 …私はこの瞬間を、きっと忘れない。 …忘れられない。 『彼女』が、私達の前に姿を現した日のことを──…