「碧衣、おはよ。」 後ろから聞こえてくる声にも、だいぶ慣れてきた。 「服、夏服だ。」 少し物珍しそうに颯が言う。 「うん。今日から夏服なんだ。」 私は袖を指でつまんでみせた。 こんな会話も、穏やかで安心するんだ。 人と話すことが、こんなにも心を落ち着かせるなんて知らなかった。 会話をするたび、颯が好きだなぁって、実感する。 そんな、毎日。