あれから二週間が過ぎ、陸は「探偵社RIKU」にいた。

 ボロボロのソファに身を沈めてうたたねをしていると、ブーッブーッ! とチャイムが鳴り、ビクっとして目が覚めたのである。

 寝惚けているような顔のまま立ち上がると、入り口に向かいドアを開けた。

 そこには、少し痩せた春樹が思いつめたような顔をして立っていたのである。


「どうしたんだよ春樹、突然来るなんてさ」


 春樹は何も答えないので、心配になった陸は更に話しかけた。


「何だよ春樹、お前今日平日だろ? 会社どうしたんだよ」


 不思議そうに訊ねる陸に笑顔を見せると、春樹はズカズカと室内へ入り、ソファに腰を下ろした。

 どうしたんだ、春樹のやつ精神的にどうかしたのか? あんなことがあったんだ……。笑っているけれど精神的に相当参ってしまったのだろう。 

 本気で心配になった陸は慌ててドアを閉めると、春樹の向かい側のソファに座った。

 すると、春樹は俺の予想を裏切るようなことを云ったのである。