鈴のことを考えると胸がほんわかする。 けれども、それと同じぐらい胸が苦しくなる。 甘くて、ほろ苦い、 感情。 なぜ、そんな気持ちになるのか、俺にはわからない。 そんな得体の知れない感情に、最近、頭を抱えていた。 「「「廉ー!!!!」」」 ファンの歓声によって、考えごとしていた俺の頭は現実に引き戻された。 やばい。 集中しなくては。 俺は聞こえてきた方向に手をふった。 そしたら、叫んだと思われる集団がキャーキャー騒ぐ。