花の家

「そ、そんなこと……」


「お前にゃ分からないんだろうなあ」


少し寂しそうに笑う鈴の気持ちが、香里には分からない。

それが無性に悲しい。


「教室行って、お前のカバン持って来るよ。

甲矢がぐったりしてる内に」


甲矢さんは、鈴の言う通り、力なく浅い呼吸を繰り返している。



「ま、お前には分からなくていいよ」


鈴は保健室を出るときに、ぽつりと言った。



虫の血が、どんなふうに唸るか、なんていうのはさ。