「おめでとう、香里」

「幸せになれよな」

「姉さん……たまには帰って来てくれ」

 うわあああ、お祝いの言葉やめてええええ!


「いやあああっ! 朝蜘先生と結婚なんてありえないいいいっっ!!」

 思わず喚き散らすと、そこは結婚式場から日本建築になっていた。

「ずいぶん騒がしいお目覚めなのね。香里」

 布団の中で、助けを求めて宙に手を伸ばしている香里を、智恵子が呆れた顔で見ている。

 お目覚め?

 お目覚めってことは……