そのため……今日はスーツを着ている。



「…高校生のくせに、スーツ似合いすぎ。陸って本当は老けてるんじゃない?」

「あ゛?何て言った?」

「……申し訳ありませんでした」



上からギロっと睨んでやると、すぐにシュン…となった。



白のVニットに小花柄のひらひらしたミニスカート……黒のミリタリーコートにブーツを着ている杏ちゃん。


可愛すぎるんですが。

最近…また色気が出て来たため、ホントにヤバイ。



「ん〜〜そろそろ行こっかな?」

ショルダーバックの中身を確認し終わってから、杏が言った。



「絶対怪我すんなよ?……いってらっしゃい」

「うん、明日には帰れそうだから大丈夫だよ。お土産待っててね!」


ニッコリ笑うと、最後の搭乗手続きがある場所へ歩き出す。



「あ!…忘れ物!!」


そう叫ぶと…慌ててまたこちらへ戻って来た。