――陸Side――


とある一軒家――…。


外側を囲むように回る炎…。

火は高く燃え上がり…窓ガラスが次々と割れていく。


一階全体に炎が広がり、二階も炎に包まれつつある。



その中で、眠るように息絶えている女の子。


長い黒髪……白い肌……整った顔立ちで……誰が見ても、綺麗な女の子。


真っ白な服には、赤い血がこびりついていて……細い首のけい動脈が鋭利な刃物で切られている。



『杏…ッ……』

呼び掛けても、ピクリとも反応しない。


『杏ッ……起きろって……』


さくらんぼ色だった唇は、色を失い……青紫色。




動かない手が握りしめているのは





自分が彼女に贈った…羽根のネックレス。