「香奈が、あんたに話しかけるなって言ったの？」

「え？　ああ。……メールだったけど」

「それ、いつ？」

「バレンタインの、夜……９時近かったと思う」

「電話もしたのよね？」

「ああ」

「香奈、なんか言った？」

「……いや。怒っててしゃべってくれないんだって、思ったから」

「ふう～ん」


加納はなにやら考えていたが、


「電話に出たのも、メールを送ってきたのも、健介だよ」


自信たっぷりに言い切った。


「香奈はその時、私の部屋であんたのワラ人形作ってたんだもん」

「……それ、笑えないって」

「私は本気で作りたかったけどね」


加納に睨まれてオレの背筋は震えた。


しかも、さっきからオレのことを「おだっち」ではなく「あんた」と呼んでるし。