ダンディ★ライオンの秘密の恋愛講座

 そして、刹那が愛しい、と思っていた女優さんの代役を勤めるわたしの立場が。

 かなり厳しいはずだ、と言うことも、聞いていた。
 
 それは、そうよね。

 だってわたし。

 亡くなった女優さんの『代役』が務まるくらいには、顔も、背恰好も似せているんだから。

 彼女より、演技が劣れば『大根』って皮肉られたり。

 演出とは言え。

 刹那に抱きついたままだったら『重いから、さっさとどけ!』って言われるくらい本当は、仕方がないことだった。

 だけども。

 わたしにだって、感情があるのよ。
 
 きっぱり、はっきり嫌われれば『痛い』に決まってる。

 あ~~あ、いっそのこと。

「わたしに、感情なんてなければよかったのに」

 なんて、思わずつぶやくと、那由他さんは、ちょっと目を見開いた。

「……あなたが、そんなコトを言うんですか?
 だめですよ。
 あなたが心をなくしたら、すべてが台無しになってしまうでしょう?」

「~~そうかもしれないけど」

 ……ますます、自信ないから~~

 椅子の上で、膝を抱えるわたしに。

 那由他さんは、励ますように、ほほ笑んだ。