君に届けたくて




「お母さん…?
叶斗兄ちゃんを知らない?」


お母さんは悲しそうな顔をした。


なんだか、胸騒ぎがした。


「叶斗君…
玲美を助けてくれたのよ。
でも、叶斗君は
意識不明で病院に運ばれたわ。
私が連絡したの。
なかなか帰って来ないから
心配してたのよ……」


お母さんは泣き崩れた。