その音に動きを停止させると、先生がすぐに心配そうな表情を向ける。
胸がドクンと大きく不安を表す。
それを感じながら……ゆっくりと受信メールを開いた。
「……―――」
「市川、さっきのヤツか?」
すぐに聞いてきた先生に、安心しながら首を振る。
新着メールの送り主は、無事家に着いた諒子だった。
「……ううん。諒子」
「ナイスアイデアでしょ?」なんていう明るい内容が、自然と頬を緩ませる。
一瞬にして張り詰めた緊張を解くと、あたしと先生のやり取りに疑問を覚えたのか、坂口先生が首を傾げた。
「さっきのヤツって?」
答えようと口を開くと、片手を上げてあたしを制止した先生が話し出した。
「今日、嫌がらせみたいなメールが入ったらしいから、またそいつかって事」
「……嫌がらせって、いじめ的な?」
「『僕以外キミには釣り合わない』的な、ストーカーメール」
「ストーカー……? 市川さん、心当たりとかないの?」
問いかけられて悩むも、頭はさっきと同じ答えを叩きだす。



