甘い魔法②―先生とあたしの恋―



……かなり疲れてる、とか?

疲れさせた……とか?

つぅか……変な事強要とかしてたらやべぇよなぁ……。


すがすがしい朝とは不似合いに、嫌な予感に不安が向かいだした時。

視線の先で市川が瞼を上げた。


「……市川?」


まだ完全に目を覚ましていない市川に優しく声をかけると、市川の瞳が俺を捕らえる。


「んー……先生、最悪……」

「……」


やっぱ俺、何かとんでもない事―――……?


「市川、俺昨日……」

「昨日、先生キスした途端に寝ちゃって、ベッドに運ぶの超大変だったんだからね?」

「は? ……まじで? 寝たの? 俺」

「そうだけど……? 

っていうか先生お酒臭いよ。お酒とタバコの混ざった匂いがする……」

「あ? ……ああ、ごめん」