あたしの推理に、諒子は少し唸ってから納得いかなげに頷く。
「確かに……。
実姫と矢野センの関係知ったのついこないだだもんね。
誰かに聞きまわったとしても、実姫の友達に聞かなきゃアドレスなんか分からないし、聞かれた友達がいれば実姫に話がくるハズだし」
「じゃあ誰なんだろ……」と眉を潜めた諒子に、あたしはもう一度メールを確認する。
『キミと矢野先生、付き合ってるらしいね』
誰かから聞いたような言葉の選び方。
自分でその事実を突き止めたなら、もっと違う言い方をするような気がするけど……。
誰かから聞いたにしても……この人は、それをあたしに告げる事で何を望んでるんだろう。
ビクビクして、関係がバレる事を怖がって先生から離れる事?
だとしたら……。
やっぱり女の子なのかな……。
見つめていた先で、ケータイのディスプレイが真っ黒になる。
所定時間を過ぎた事を表している黒い画面に、あたしは気分を切り替えるように短い息をついた。



