甘い魔法②―先生とあたしの恋―



「市川がひとり暮らしする気なら、一緒に住ませてやってもいいって意味」

「……」

「ま、親父さんが許すわけないけど」


ドキっとした胸が、最後に付け足された言葉に冷静さを取り戻す。

確かに、お父さんが許すわけない。


「……だね」

「だから、最初は遊びに来る程度だろうけど、その時のために合鍵。

俺がいない時でも勝手に入っていいから。

散らかさないって約束するなら、多少物置いてもいいし」

「なんか……、彼女みたい」


そう呟くと、先生が「今さらだろ」って笑う。


だけど、そんな風に当たり前に先生の部屋に寄れるとか、自分の物を置いちゃうとか。

普通の恋人同士みたいな事が、すごく嬉しくて素直にそう思った。


本当に彼女でいいんだって。


「ありがとう」、そう言おうとした時、先生がびっくりするような事を言い出す。