泣き崩れそうなほどに涙を流しながらも、強い瞳で見つめたまま凛として言う市川。
見ていて、聞いていて。
胸の奥が熱くなった。
痛いほどの想いがこみ上げてきて、今まで溜まっていた薄汚い感情までもを流しだすように、市川への想いが止まらず溢れる。
「ごめん……ごめんな、市川。
おまえが心配してくれてんの分かってたのに……。
嫌われるのも、巻き込むのも嫌で……」
情けない自分を痛感しながら市川に言う。
こんなにも強い気持ちで想ってくれていた市川を知って、今まで怖がって怯えていた自分がものすごく小さく思えた。
ここまで追い詰めるほど市川を苦しめていた自分に、後悔ばかりが浮かぶ。
同時に、それを上回る市川への想いが―――……。
今まで暗い闇ばかりが支配していた場所が、市川への愛しさで溢れていた。



