甘い魔法②―先生とあたしの恋―



泣き崩れそうなほどに涙を流しながらも、強い瞳で見つめたまま凛として言う市川。


見ていて、聞いていて。

胸の奥が熱くなった。


痛いほどの想いがこみ上げてきて、今まで溜まっていた薄汚い感情までもを流しだすように、市川への想いが止まらず溢れる。


「ごめん……ごめんな、市川。

おまえが心配してくれてんの分かってたのに……。

嫌われるのも、巻き込むのも嫌で……」


情けない自分を痛感しながら市川に言う。


こんなにも強い気持ちで想ってくれていた市川を知って、今まで怖がって怯えていた自分がものすごく小さく思えた。

ここまで追い詰めるほど市川を苦しめていた自分に、後悔ばかりが浮かぶ。


同時に、それを上回る市川への想いが―――……。

今まで暗い闇ばかりが支配していた場所が、市川への愛しさで溢れていた。