「逃げないでよっ……先生。
あたしは、秋穂ちゃんの言うように、先生の事分かってあげられない。
何も言わない先生に、欲しい言葉をかけてあげる事なんてできない。
だから……、不安ならちゃんと言ってよ。
心配な事とか、苦しい事があるなら言ってよ。
一人で我慢しないで……っ。
一人で苦しいなら、あたしを信じて相談してよ……」
「……ごめん」
「先生のやきもちとか……、少し大げさだなって思った事もある。
けど、あたしは、それを嬉しいって思ってたよ。
先生がつらそうな顔するから、それが心配だっただけで……、先生のやきもちは、いつだってどんなに嫉妬深くったって嬉しかったよ」
「市川……」
「それくらい、先生が好きなんだよ……っ!
先生を好きだっていうあたしの気持ちを、信じてよ……っ!
あたしから、逃げようとしないで……先生。
こんなに、好きなの……」



