甘い魔法②―先生とあたしの恋―



「高遠……、後悔とかしてねぇよな?」


どうせ、それが聞きたいんだと思ってた俺は、微笑んで頷く。


高遠と小林は、しばらく前に別れた。

その後、小林はいつも支えてくれていた澤田を選んで、今も相変わらず仲良くやってる。


隠し事の出来ないタイプの澤田は、何かあるとすぐに俺んとこに来て報告していくから、澤田と小林の恋愛事情については、当事者並みに知っていた。


「してねぇんじゃねぇの? 高遠が選んだ事なんだし。

お互い納得して別れたんだから、澤田が今さら気にする必要もねぇよ。

安心して『続く恋』でもしてろ」


そう言うと、澤田は口を尖らせてから呆れるほどの笑顔で笑う。


うっとうしいと感じながらも毎回話に付き合うのは、澤田の素直さが原因なのかもしれない。


「そっか」

「つぅか、おまえに同情されるような奴でもねぇだろ、高遠は」

「そりゃそうだけどさー……なんかやっぱり気になるし。戦友だしさ」

「小林がおまえと楽しそうにしてるとこを見れば、安心して吹っ切れるんじゃねぇの?

高遠はそういう奴だろ」