「里子さん。こいつ、俺の事が好きで好きでどうしょうもないんだって言うから大丈夫だよ。
例えば、おっちょこちょいの里子さんが要らない事まで言っちゃったとしても、それでも好きらしいから」
あたしと里子さんを同時にからかう先生を、2人して不貞腐れて睨む。
それから、里子さんと目を合わせて笑った。
「さぁさ、とにかくお茶でも入れて座りましょ。
……って、それどころじゃなさそうね」
苦笑いを浮かべた里子さんに首を傾げていると……。
静かだった建物内に突然大きな声が響いた。
「……―――ハルくんっ!!」
突然飛び込んできた女の子の声。
振り向くと、そこにはセーラー服を着た女の子がいて、先生に駆け寄るところだった。
まるであたしも里子さんも目に入っていないように、先生だけを見つめている大きな瞳が、とても印象的だった。



