荒々しく口内を犯す先生のキスは、感じた事のないほどに強引にあたしを拓いていく。
息もつかせないようなキス。
抵抗の言葉を口にしようにも、あたしはただ戸惑うながらもそれを受けるしかできなかった。
静かな階段に、僅かに漏れる声だけが響く。
いつ終わるかも分からないほど長く感じたキスから解放された時には、完全に呼吸が乱れていた。
「は、……、…っ……」
キスを終えても、尚も近くからあたしを見つめる先生をゆっくりと見上げる。
先生の瞳に感情がある事に気付いて、吸い寄せられるようにじっと見つめた。
さっきの無表情とは違う、歪められた表情。
感情のこもった表情。
そんな先生を見て、なぜだか胸がほっとしたのを感じた。
つらそうに潜められた眉。
悲しそうに細められた瞳。
先生の切ないほどに悲しい表情に、あたしも苦しくなる。
……泣きたくなる。



