甘い魔法②―先生とあたしの恋―



あたしは、先生から視線を逸らしたまま、先生の手に触れる。

それから、ゆっくりと先生の指先に舌で触れた。


体温で溶けていたチョコは、先生の言う通り、本当に先生の指先を汚していた。


「……?」


甘さでそれを確認していると、先生は手をスッと引いてしまって。

不思議になったあたしは先生を見上げる。


「……」


返ってきたのは、先生の真剣な眼差し。

身体の動きが止まるほどの熱い視線。


口の中に残るチョコが、じょじょに口内を甘さで満たしていく。


「……本当にやるなんて思わなかった」

「だ、だって、先生がやれって……っ」


呆れ笑いを漏らす先生に頬が熱くなる。

カっとなって一気に赤く染まったあたしの頬に、先生は手で触れて、あたしとの距離を埋めた。


「今キスしたら甘いんだろうな」

「……っ」