あたしは、先生から視線を逸らしたまま、先生の手に触れる。
それから、ゆっくりと先生の指先に舌で触れた。
体温で溶けていたチョコは、先生の言う通り、本当に先生の指先を汚していた。
「……?」
甘さでそれを確認していると、先生は手をスッと引いてしまって。
不思議になったあたしは先生を見上げる。
「……」
返ってきたのは、先生の真剣な眼差し。
身体の動きが止まるほどの熱い視線。
口の中に残るチョコが、じょじょに口内を甘さで満たしていく。
「……本当にやるなんて思わなかった」
「だ、だって、先生がやれって……っ」
呆れ笑いを漏らす先生に頬が熱くなる。
カっとなって一気に赤く染まったあたしの頬に、先生は手で触れて、あたしとの距離を埋めた。
「今キスしたら甘いんだろうな」
「……っ」



