甘い魔法②―先生とあたしの恋―



「今年のバレンタインは誰にやんの?」

「……」


どう考えたって誘導尋問だ。

少し間を空けたせいで、素直に言いづらくなる。


八つ当たりに口を尖らせて、先生を軽く睨んだ。


「それ、わざと聞いてる?」

「なんで? 誰にやんのか聞いただけだろ?」

「だって、そんなの……」


『先生に決まってるじゃん』

……そう続けるのは、あたしの性格上難しい。

しかも、ためちゃっただけに余計難しい。


気恥ずかしくなりながらも、視線を先生と合わせないようにして答える。


「……あげても迷惑じゃない?」


一応、先生にはあげるつもりだった。

去年は、ちょうどあたしが体調を崩しちゃってたから、寝込んだあたしを先生が看病してくれてたりしたらバレンタインは終わっちゃって。

それなのにホワイトデーにはビンに詰まったいちごミルクの飴をくれて。