先生の事を待とうって思ってるのに、その気持ちがひどく急かされる。

それはやっぱり、このメールを送りつけてくる犯人のせいなのかな。


このままイライラを抱えたままじゃ、先生を傷つける事を口走っちゃいそうで怖いのに……。

どうすればこのイライラから解放されるのかが分からなくて、余計に気持ちが焦って。

考えれば考えるほど、その繰り返し。



そんなあたしの気持ちが届いたかのように、その日の朝、お父さんから電話が入った。


『今日は早く帰れそうなんだ。

……実姫、たまには帰ってこないか? 学校での事も聞きたいし』


先生の傍を離れるのは少し不安だったけど、お父さんからの誘いは嬉しかったし素直に頷いた。

それに対して、先生は微笑んだだけだった。


『そっか……よかったな』って。

……寂しさを含んだ瞳で。


そんな先生に、踏み込んでいきたくなる言葉を呑んで、あたしも笑顔を返した。