「凹んでるっていうか……先生が馬場先生を助けるのは当たり前の事なのに、嫌だって思っちゃったから。

付き添って欲しくないって思って、多分それが顔にも出てた。

だから先生は、付き添いを断ったんだと思う」


ふぅ、とため息を混ぜながら言うと、それを聞いた諒子が口を開いて……。

でも、近くを通りかかりそうになった男子の姿を見て、それを止めた。


そして、わざと名称を変えて話し出す。


「ハルくんが断ったなら別にいいじゃん。実姫が気にする事でもないんじゃない?

それにそんなの誰だって嫌だよ」

「けど……あたしと、……ハルの場合は普通とは違うから。

普通は出していい感情でも隠さなくちゃ……いつか、壊れちゃう」


机の木目に視線を止めたまま、今自分が言った言葉を考える。

上手く気持ちをまとめて話したつもりだったけど、言葉にしてみたら少し違うような気がして……。

もう一度気持ちを声にする。


「……あたし、多分守りたいんだと思う」

「ハルくんとの関係を?」