初めて学校に親父を呼ばれたのは、中1の時だった。

うるさい2年の女子とケンカして、3人をボコボコにしたのが原因だ。

親父は教師に頭を下げ、家に帰るなりあたしを殴った。

以降、学校をサボってゲーセンの裏でタバコを吸ってるのが警察に見つかったとき、集団万引きがバレたとき、教師とケンカして教室のガラスを故意に割ったとき、原チャリの無免許ノーヘル二人乗りで捕まったとき。

思い出せばまだまだあるが、親父はいつも、

「面倒おかけしました」

と警察や教師に頭を下げ、家に帰るとあたしを殴った。

もちろん教育的指導の意味もあっただろうが、気に入らないことがあるとすぐに暴力を行使する親父。

そのクソみたいな親父が頭を下げるシーンというのは、何度見ても嫌なものだった。

頭を下げる回数が増えて行くと共に、親父の暴力はエスカレートしていった。

手の前に足が出るようになり、最後の方は首を絞められたり腰にタバコを押しつけられたり。

親父が壊れていたのは嫌でも感じ取れた。

あたしがまともじゃなかったから、親父もどうしていいかわからなかったんだと思う。