ゲイな彼と札束


キレイ?

あたしが?

その言葉のせいで顔の温度は一気に上昇し、恥ずかしくなったあたしは繋いでいた手をパッと離した。

「はぁ? 何だよ急に!」

「何怒ってんの? 俺、おかしいこと言ってなくない?」

「マモルが変なこと言うからだろ」

キレイになったって、本当に?

そんなこと、恥ずかしくて口に出せない。

「何? あ、もしかして照れたの?」

「うっせーな。青だよ。渡るぞ」

図星を突かれて、わざと汚い言葉を出してしまう。

言葉遣いも直さねばと思うけれど、すぐには無理みたいだ。

恥ずかしくなって先にスタスタ歩き出すと、マモルも笑ってついてくる。

あの日は捨て犬のような顔をしていたマモルも、幸せそうに笑っている。

あたしもきっと幸せそうに照れているのだろう。

マモルはあたしにキレイになったと言った。

マモルだって、夏よりずっと頼もしくなった。

それが嬉しい。

笑顔を見ると幸せを感じる。

これが愛というやつだろうか。

なるほど、悪くない。

「あ、そうそう。テーブルに放置してたお金、全部通帳に入れてきたんだ」

歩いている途中だというのに、マモルは上着のポケットから預金通帳を取り出した。

「見てよ。生活費に20万も使わないからさぁ。元々の貯金もあって、また300万に戻った」

「マジで? すげーな」