ゲイな彼と札束


どうやらあたしのニュースは、本当に全国区で流れたらしい。

10人近く逮捕されてるんだから、大きな事件として扱われたようだ。

でもまさか、それを“希望の光”と捉える人間がいるとは思わなかった。

「サエの地元まで行かずにはいられなかった。思い知らされたよ。サエが俺の中でいかに大きい存在になっていたか」

「ニュースでは住所まで公表されないだろ。どうして家とか職場がわかった?」

金に物を言わせて調べるにしても、来たのが早すぎる。

「うちの事務所だよ」

答えたのはジョージだった。

「は?」

「サエちゃんの名前から生い立ちを全部調べてた。言い方が悪いけど、信用調査っていうか。サエちゃんが実在する人物なのか……マモルが嘘をついていないかの確認でね」

「何だよ、それ」

そりゃあ、あたし自身は信用もへったくれもない家出少女だったけれど。

「家を出たと聞いて、それからどうしているかも調べが上がってたんだ。マモルと別れたからって、俺のことをバラされたりしたら困るから、一応ね」

つまりあたしの行動はずっとジョージの事務所に監視されていて、筒抜けだったっつーことか。

ニュースを見たマモルは、おそらくマネージャーの花巻から詳細を聞き出した。

「サエのことが心配で、心配で。すぐに飛行機に乗ったんだ。早く顔を見て安心したくて、涙が出たよ」

「嘘つけ。じゃあ、何で金だけ置いてったんだよ」