ゲイな彼と札束


先日のヒロキの忠告も虚しく、見つかってしまった。

いや、あたしは別に隠れて生活していたわけではないから、遅かれ早かれこうなる運命だった。

2ヶ月もの間平穏に過ごせたことの方が奇跡かもしれない。

これも過去の所業の報いだろうか。

あたしは故郷ですら穏やかに暮らせない。

連れてこられたのは、懐かしの河川敷。

あたしたちが階段を下りているのを見て、橋の下に待機していたやつらがこちらにやってくる。

男も女も、合わせて10人くらいだろうか。

族の先輩や隣の中学だった同級生まで。

どいつもこいつも不幸そうだ。

階段を下り終わると後ろから蹴られて彼らの前に転がされる。

手を使えないため、肩と胸を強打してしまった。

石の擦れる独特の音が、川のせせらぎに溶ける。

あまりの痛さに挫けそうだ。

あたしは弱くなってしまった。

中学時代に張り合ってたチームとケンカした時も、これくらいじゃへこたれなかったのに。

「あんた、ホントに生きちょったんやぁ」

歪んだ笑顔の女に髪を掴まれ、膝を着いた状態で体を起こされる。

手は縛られたままだ。

この女は何がバレて捕まったのだろう。

シンナー? 売り?

それとも窃盗?

「生きちょるんなら責任取ってもらわんとなぁ」

足の裏で押すように胸を蹴られ、今度は逆の肩を打った。

責任って何だよ。

自業自得だろうが。