「……この前の子?」


暁さんの言葉に、あたしは涙を流しながら頷いた。


「そっか、藍ちゃんの……」


……え?


「藍のこと、知ってるんですか?」

「……あぁ、ゆきがよく話してた」


……ゆきって、由季渡のこと……だよね?


「まぁ……残念だね」

「なにか知ってることがあれば、教えてほしいんです!」


些細なことでもいいから、お願い!


「ムリ」

「え?」

「教えられない」


教えられない……って、なにか知ってるってこと?


「蘭!お前っ……」

「嘘ついてでも秘密にしろって?俺はそんないい奴やってねぇよ。でもコレは一応俺の優しさだね」