「……そうなんですか、暁、さん……」
さりげなく呼び方を訂正しておいた。
「離婚とか、ですか?」
「いや、別々には住んでるけど一応離婚はしてねぇ」
「じゃ、なんで――」
ちょっと思った。
なんか人の家庭の事情のことを聞きすぎじゃぁないか?
そんな心配しているうちに、蘭くんが答えてしまった。
「俺が悪魔ちゃんだからさ」
ニッと笑ってそう言った。
「蘭!」
「嘘じゃねぇし」
「悪魔……?」
とりあえず、意味は不明だった。
「そ、俺ら呪われてんの」
『呪い』
その言葉に敏感に反応してしまったあたし。
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