「蓮くんて、由季渡のこと嫌い?」

「嫌い」


……そ、そんな満面の笑みで行ってくれなくてもいいと思うけど……。


「亀井さんは?好きなの?」

「え?あぁ、いい奴だとは思うの」

「まぁ、悪い中の善なら多少あるかな」


蓮くんの目が、少しだけ寂しそうに見えた……。


家の近くから案内をして、家まで送ってもらった。


「今日はありがとう、二人とも。ケンカしないで帰ってね」

「また明日ね」

「後でまた話聞かせてやる」


二人はやっぱりケンカしながら帰って行った。


夏の風は生暖かい。

もうすぐ始まる、長い長い夏休み。