あたしはその瞬間思った。


「その、リーダーの名前はまさか……」

「ララじゃねーからな?」


あたしの考えはどこまでもお見通しだったらしい。


「暁(あきら)さんだ」

「おしい!」

「全然おしくねーよ!」


そう言って笑ったなんちゃら由季渡は、いつものようなにやりとした笑みじゃなく、純粋に楽しそうな笑みを見せた。

ちょっと、嬉しくなった。


その時、屋上の扉が開いて蓮くんが現れた。


「あ?南波?珍しくね?」

「え?知ってるの?」

「そもそも同じ学校なんだから知ってても不思議じゃないだろ。なんでいんの?」


驚いている蓮くんは、なんちゃら由季渡から視線をあたしに向けた。