この人と知り合えば、親しくなれば、少しずつ見えてくるものがあるのかもしれない。



「名前?……二年の南波蓮(ななみれん)」



蓮くん……ね。



「学年一緒だね。あたし、亀井結衣。親友の名前は石川藍だよ。よろしくね」

「え?……あぁ、うん」

「じゃ、そろそろ九時になっちゃうし、あたし帰るね。一緒に逃げてくれてありがとう。じゃ、またね」



そう言って、あたしは数百メートル先の家に帰って行った。



藍、待っててね。

あたし、出来る限り頑張ってみるよ。

藍のためにも、今までの被害者のためにも。

『呪い』ってのがまだ少ししかわかってないけど、藍が悪いわけじゃないってことだけがわかっただけでもうれしかった。



藍のせいじゃない。

でもね、ちょっとムカついたよ。

藍のせいじゃないのに巻き込まれたこと。

藍、頑張るからね。



決意を抱いて、あたしのこれからがスタートした。