何もないとか、何も起こらないとか、そんな表現じゃなかった。



『おとなしい』

それは完全に生物に対して。

動くものに対してのものだった。



この『呪い』には、誰かしらかかわっている。

『ヒト』か、『動物』か、わからないけど、もしかしたら『霊』って可能性だってあり得るけど、かかわっている。

そしてこの人は、そのことを知っている。

みんなが話す『呪い』の『原因』を、知っている。



……知ることができるかもしれない?

それこそ賭けだ。

でも、この人が最初で最後のチャンスかもしれない。



あたしは、賭けてみた。



「お名前と学年、聞いていいかな?」