壁には一昨日までなかったカラフルな張り紙が貼られていた。


『メイド6人

調理(ドリンク、オムライス)
6人

上記を2グループで2時間交代』



「あぁ…確かに今はやってるしね(笑)

あたし調理が…」


「昨日何やるかはもう決まったんだけど

奈緒はメイドだよ。

あたしが一緒に立候補しといた」


ピースを作りながら言う梓に

奈緒が顔を歪ませる。


「えぇ!

やだよ!あんな見せ物みたいなの!」


「大丈夫だって(笑)

だって今を逃したらあんな服絶対着る機会ないし、

奈緒なら絶対客受けいいし!


ってゆうか、一番稼いだクラスには
先生達からピザのご褒美があるし!」


「…もういいよ、ピザは」


体育祭の時のピザには…

あまりいい思い出がない。


あの一件があってからは
山本とは未だに気まずい状態が続いていた。


完全にうなだれる奈緒に梓が意味深に笑いながら耳打ちする。


「メイド係りは服もらっていいんだって。

…桜木先輩の前で着れ」


「着ない!

…梓は着るんだ?(笑)

関先輩の前で」


奈緒の不意打ちに

梓が照れもせずに少し考え込む。


「まぁ…

武ちゃんが着てっていうなら…

でも武ちゃんどうせ当日来るし。


あ!ってゆうか桜木先輩だって当日呼べばいいんじゃん。

さっそく誘ってみるように武ちゃんに…」


すばやくケータイを取り出し武史にメールを送ろうとした梓を
奈緒が止めた。


「お願いだからやめて!(笑)」


「じゃあメイドやってくれる?」


苦渋な選択に頭を悩ませた後…

奈緒がうなづいた。




.