お風呂から上がって
部屋に入った梓は今日の武史との事を思い出していた。
家まで送ると
『じゃあまたね』と
武史は来た道を帰って行った。
武史の笑った顔が頭から離れない。
梓は机の引き出しを開けた。
中でガチャガチャのカプセルが2つ、音を立てた。
1年前
元彼が…
真也がくれたもの…
騙されたのになかなか捨てられずに1年がたってしまった。
梓はカプセルを一つ手にとる。
中で当時流行っていたストラップが光った。
「3番目だったのにね…
ばっかみたい…」
安い光を放つストラップが
梓に真也を思い出させる。
初恋の…
苦い思い出を―――…
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