『同情じゃない』
どうゆう意味…?
固まったままの美沙の手を引いて智也が歩き出す。
初めて繋いだ手に戸惑いながら
でも何も言えずに美沙は智也の後を歩いた。
智也の後姿が…
とても怒っていて何も言えずにうつむいた。
怒って当たり前だ…
水谷さんをナイフで脅したんだから…
川口と…
同じ事をしたんだから…
智也が美沙を連れてきたのはネットカフェではなくてアパートだった。
アパートを出て2週間ほどしか経っていないのに
なんだかもうずっと来ていないような気がした。
「座って」
智也に言われ、美沙がソファに座る。
智也が
うつむいたまま顔をあげない美沙の手をとる。
「痛い?」
奈緒に蹴られた辺りを触りながら智也が聞いた。
少しだけ痛みがあったが美沙は首を振った。
「うそつけ(笑)
絶対痛いって。
腫れあがってるし」
――――…
目の前で智也が笑った途端に美沙の止まってた涙が溢れ出した。
智也の笑顔に安心して…
涙が美沙の頬をつたう。
「…ごめ…なさい…
あた…し…」
「もういいから」
涙を流しながら謝る美沙を智也が止める。
「水谷だって分かってくれるよ。
桜木も…まぁ大丈夫だろ。
…それより」
智也の視線を感じて…
美沙が顔をあげた。
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