「ちゃんと知りもしないで水谷を苦しめて…
…美沙がつらい思いしてきたのはわかるけど
もっと前向きに…
あ、おい!」
智也の話の途中で美沙は自分の部屋に駆け込んだ。
あたしは本当にばかだ。
あんなに嫌いだった母親の話を鵜呑みにして…
水谷さんを追い込もうとして…
もう…
だめなんだよ。
あたしはそうゆう風にしか生きられないんだ。
そうゆう風にしか受け止められないんだ。
自分に都合のいいことだけを信じ込んで…
母親の話が本当なら…
水谷さんも加害者になると思った。
あたしと同じ立場になると思った。
そんな事を望んでた。
あたしは
いつからそんな人間になったんだろう…
もしも戻れるなら…
やり直したいことばっかりだ。
智也に初めて会ったあの時から
やり直したいよ…
.



