そんな生活が続いていたある日
美沙が奈緒の変化に気づいた。
今までと何ら変わりはないのに
どこか違う。
多分、周りに聞いても誰も気づかないくらいの小さな変化。
だけど美沙には分かった。
この数ヶ月間、奈緒ばかりを見てきたから…
確信を突くことは聞けなくて…
でも確実に変わっていた。
「…水谷さんが遅刻なんて珍しいね」
奈緒が珍しくバイトに遅れた日、
美沙が少し探りをいれた。
「ちょっと学校の行事で…」
返ってきた答えは当たり障りのない言葉。
でも
その後、奈緒が変わった理由がわかった。
「新しいバイトの桜木くん」
智也に連れられてきた背の高い高校生。
整った顔…
奈緒に向けられる優しい瞳…
…ああ、そうゆうこと。
男ができたから…
水谷さんはもう男嫌いが治ったって事?
あの事件から…
立ち直ったって事?
あたしは何も変われていないのに…?
なんで水谷さんだけ…
なんでみんな
あたしを追いてくの…?
美沙の中にどんどん醜い感情が生まれてきて…
あふれ出す。
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